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第14話  

聡はついに私のスタジオに向かった。

しかし、彼を出迎えたのは薫だった。

「星ちゃんはまだお前に怒っているのか?スタジオの人から聞いたんだけど、彼女はもう7日間も出勤していないらしい。」

「何だって?「どうして誰も教えてくれなかったんだ?」

「どうしてって?それはお前が葵に夢中だからだよ。もう星ちゃんなんか気にしていないと思っていた。そもそも、星ちゃんは聴覚も言葉も失っているけど、彼女ももう大人だ。少しぐらい怒っても、どうせ空腹になったら戻ってくるだろうよ……」

バンッ——

聡は怒りに任せて薫の顔を殴りつけ、目を見開いて叫んだ。「お前も彼女が耳が聞こえず、口がきけないことを知っているんだろう!彼女が外でいじめられたらどうする?」

「いじめられた?聡、この世界で彼女を一番いじめているのは、お前じゃないのか?」

薫は彼を突き放し、くしゃくしゃになった襟を整えながら言った。「聡、もし俺がお前なら、目の前のものに集中して、他のことに気を取られることはないだろう。俺なら、今警察に通報するだろうな。まあ、君が自暴自棄になって彼女が戻ってくるのを待ちたいならそれでもいいけど。もしかしたら、彼女はずっと君のそばにいるのかもしれないぞ!」
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